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第52号 2017年3月15日発行
大阪体育学会 広報委員会
↑題字は、西山元支部長による  
   
平成27年度学会賞を受賞して
池坊短期大学幼児保育学科助教      
関西学院大学教育学研究科大学院研究員
細川 賢司  
 
 

 この度は平成27年度大阪体育学会 学会賞をいただき、光栄の至りと存じます。
 最近、関東圏内の一部の公園での野球が解禁になるというニュースが紙面を賑わせました。しかし、これが大きな話題になるということは、それだけ現在の子どもの運動・スポーツ環境がいかに規制され、自由な遊び場ではなくなっているか、ということの裏返しであると言えます。現代の子どもたちにとっての運動・スポーツというものは、最早お金と時間をかけて行う「習い事」の1つにすぎなくなっていると言っても過言ではなく、子どもたちの運動習慣の二極化は未だ解消される気配を見せません。
 受賞論文では、保育所の自由戸外遊びにおいて年長児の運動量や基本動作の質・量といった経験に格差が見られることを報告しました。この運動経験の差及び運動習慣の差は幼少期の身体づくりのみならず、生涯に渡って心身の健康に影響を及ぼすことが考えられます。そのため、家庭の近隣や公園などで自由に遊ぶことができなくなっている現状も踏まえると、保育・教育現場での自由遊びや外遊びの重要性は今後ますます高まっていくものと思われます。今後は今回の受賞を励みに、保育・教育現場において有効な運動指導・実践方法を考案し、子どもたちの健康な身体づくりに役立つ情報を発信するとともに、子どもたちの運動・スポーツに直に携わり、些細な変化を自分の目で見て・感じるということを大切にしながら活動していきたいと思います。

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